虚弱児にはその症状によりいろいろのタイプがありますが、光線治療は基本的には成人に準じて行います。虚弱児のどのタイプにも共通していることはからだの冷え、とくに足が冷たいことです。したがって足をよく温めることが基本的な治療となります。足の冷えの程度が強いときは基本の5分照射では不足ですので、15〜30分と長目にします。
・風邪にかかりやすい児童
治療用カーボン:3000−5000または5002−5002
照射部位:両足裏、両足首、両膝各5分、左右咽喉部各5分
・扁桃炎を繰り返す児童
治療用カーボン:3000−5000または3001−4008(扁桃腺の化膿が強い時)
照射部位:両足裏、両足首、両膝各5分、左右咽喉部各5分
・中耳炎を繰り返す児童
治療用カーボン:3002−5000または3001−4008(耳痛、耳だれがある場合)
照射部位:両足裏、両足首、両膝各5分、左右咽喉部各5分、右耳部または左耳部各5分
・気管支炎、喘息様の症状を繰り返す児童
治療用カーボン:3000−5000または5002−5002
照射部位:両足裏、両足首、両膝各5分、左右咽喉部各5分、咳が強い時は肩甲骨間部5〜10分を追加する。
・湿疹、蕁麻疹(じんましん)を繰り返す児童
治療用カーボン:3000−5000または3002−5000
照射部位:両足裏、両膝各5分、患部は1号または2号集光で各5分照射する。患部の乾燥が強い場合はワセリンをうすく塗って照射するとよい場合があります。
当診療所では「デルマ」というワセリン含有のクリームを使用しています。
・消化器症状(小食、便秘、腹痛など)を繰り返す児童
治療用カーボン:3000−5000または3001−5000、5002−5002
照射部位:両足裏、両膝、腰部各5分、腹部は1号集光5分または左右下腹部(2号集光でもより)各5分、左右咽喉部各5分。
・立ちくらみ、動悸、朝の寝起きが悪いなどの症状を繰り返す児童
治療用カーボン:3000−5000または3002−5000
照射部位:両足裏、両足首、両膝各5分、後頭部または左右咽喉部各5分、時に腹部または腰部各1号集光5分の追加もよい。
・肥満症、軽度情緒障害のある児童
治療用カーボン:3000−5000または3002−5000
照射部位:両足裏、両足首、両膝、腹部、腰部各5分、後頭部または左右咽喉部各5分
実際の治療上、これらの症状がいくつか重複していることが多いので、その場合は治療を組合わせることになりますが、一つの治療を続けることにより他の症状も軽快する例が多く、これは光線療法の予防的治療法であり、特徴でもあります。
以上のような光線療法により症状は改善されてきますが、最低3カ月を目安に治療を継続します。症状の改善はまず風邪をひきにくくなることが特徴としてあげられます。これは自然回復力の一因子である免疫機能が強化された結果です。その後は症状により1〜2年間、毎日あるいは週に2〜3回治療を続けます。
■小児の光線治療上の注意
小児の光線治療は基本的には成人の場合と同様でありますが、実際の治療に際しいくつかの配慮が必要です。
・まず光線治療を怖がらないように配慮すること。治療に慣れるまでは睡眠中に治療するようにしてもよいでしょう。
・治療中は保護者が必ず付添うこと。
・照射されている皮膚面が熱くならないように照射距離を充分に注意し、時々保護者が皮膚面を手の平で触れて温かみを確認すること。
・鼻、目、耳など顔の周辺を治療する時、光線が目に当たるような場合は必ず軽く目を閉じること。目を軽く閉じていれば光線による目の障害は全く問題ありません。
光線療法は虚弱体質の改善だけでなく、明らかな障害を持つ児童(脳性まひ、自閉症、染色体異常、脳腫瘍手術後の手足のまひ、てんかんなど)に対してもよい結果がみられることがあります。このような障害児は光線療法により精神・心理状態が安定して、自然な発育を促すようになると考えられます。
また障害児は虚弱児と同様足が冷たく、重症ほどその冷えは強いので、冷えの改善を得意とする光線療法が病院治療で見逃されている所を補う重要な治療法の一つになるのではないかと思われます。
※小児は体が小さいため、集光器を小さいものに変更して使用する場合もあります。
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